サンクチュアリ週刊ニュース

主に,米国サンクチュアリ週刊ニュースの和訳です.

マリー・コー氏 "英国の反逆"



2018.11.7


英国がEUから独立するために戦っており,英国は,9.11以降の終わりのない中東における隠れた戦争に関与しています.戦争から退役になった数千の軍人達は,貧困に陥っています.


英国軍と海軍における順当でない死者数の増加は,驚きです.
今年は,49人の男女の軍人が自殺したようです.


国防省は,1995-2014年の間に,400人の元軍人が自殺したという衝撃的な報告をしています.98-2017年には,英国軍通常軍人の309人(男性292人,女性17人)が自殺しています.


英国政府は,一度退役した軍人の死者の数には一貫性がなく,実際の人数はもっと多いかも知れません.


元曹長のトレボール・コルト氏は,イラクにおいて王立アイルランド連隊に従軍し,デイリー・スター新聞に掲載されたように,戦功十字勲章を叙勲されました.


「10日間で1人の軍人が自殺すれば,何か問題があります.国防省は詳細な調査をして,かくも多くの軍人がPTSD(Post Traumatic Stress Disorder, 心的外傷後ストレス障害)によって,自殺した理由を特定する必要があります.」


デイリー・メール紙のリチャード・ペンドルバリー氏は,「アフガン戦争のピークの1年間には,タリバンに殺された英国軍人の数より自殺した軍人の数が多かった.」と報じています.


彼の記事は,2012年12月に,北アイルランドで起こった自殺を報じています.アフガン戦争の第2大隊ライフル部隊の退役軍人であるランス・コーポラル・ジェイムス・ロス氏が自殺しました.彼は30歳でした.


彼のお母さんであるリンダ・ケッチャさんは,彼が陸軍で受けた精神状態に対処するためのカウンセリングを探しました.家族は,陸軍と信頼していたリーダーから肩透かしを食らいました.


リンダさんは,息子が死んだのは,PTSDが原因なのか,それとも,アフガンに派兵される前に,部隊で投与された抗マラリヤ薬剤の化学反応によるものかを尋ねました.


彼女は「陸軍は,よく働いた人達と家族にもっと留意して欲しい.しかし,これらの男女は人間ではなく,数として扱われています.戦うために彼らを離陸させ,その後は,彼らが見て為し,また為されるべきことを解決しようとはしません.」


更に悪いことには,推定13,000人の男女が,退役した後,ホームレスになっており,その内何人かは,国中の通りで亡くなっています.


レス・スタンディシュ氏は,フォークランド紛争において,顕著な貢献をして,軍人勲章を叙勲されました.でも,退役後6か月はホームレスで放置され,自身のPTSDと格闘していました.
彼が,不眠症と海外における戦争体験の幻覚の再現を自分で治癒するために,必死の試みとして,飲酒をしても,コントロールできなく,それらは螺旋状に上がりました.


彼が路上に居た時,数百人のフォークランド紛争に参戦した元軍人や,最近のイラクやアフガニスタンの戦争からの退役軍人が,通りの角や公園,バス停に無造作に眠り,生き残るためにペニーを乞うていました.


ケイト・スミス氏は,1994年のケンタイア岬のヘリコプター事故で彼女の直轄の部隊全員が亡くなった後,20年間,PTSDに苦しんで来ました.(この事故は,陰謀説があり,事実が曲げられています.) 彼女はミラー紙(デイリー・ミラー紙)に以下のように伝えました.


「退役軍人社会のホームレスは,日増しに悪化しています.私達が関わっている最年少は18歳,最高齢は97歳です.全ての年代の人達を助けています.


1997年に私が退役した時,私はシングル・マザーでした.私には住む場所も,子供の世話をする所もありませんでした.私は,何かに失敗したのかと感じました.結局,私は助けられて,お互いに正気に戻りました.


しかし,私は軍隊からは何も支援を受けていません.慈善事業と友達から支援されています.」


ケイト・スミスさんと婚約者のスコット・フォートレイ氏は,イングランド北西部にあるボルトン退役軍人センターを訪ねると,件数があまりにも多く,彼らが特に重要と考えること,つまり,戦争の後遺症とホームレスから退役軍人達を支援するための資金は足りませんでした.


軍隊の協定が2011年に,全ての地方自治体と州が署名して,法制化されました.


「退役軍人は政府が提供する余裕のある家を準備される優先権を持ち,この状態が除隊の間は継続する.全ての軍人に,軍務から市民生活への移行を支持する支援が有効である.」


これは,言葉だけですか?


国内の慈善団体によると,2010年以降,軍隊の予算が大幅に削減され,30,000人の軍人が失職しました.PTSDと診断された多くの軍人が,毎年除隊させられています.一度市民生活をすると彼らは危険です.
精神的な病,不安,抑圧に苦しむ人達は,不就労のため家を失い,自殺に駆り立てられます.


軍部と対抗しているトミー・ロビンソン氏は,ワトフォードのガソリンスタンドに居て,国のために勤めたいという夢を抱いていたのに,17歳で退役となった若い軍人キャデッツと共に写真を撮り,最近主要メディアにとても反駁しています.


#SOLDIERX(ソルディアエクス)キャンペーンは,若い人の軍隊におけるキャリアの喪失を防ぐために,すぐに立ち上げられました.しかし,この状況は,全ての問題をオープンにし,皆さんが読むよりももっと深刻だと思います.


数百の軍人と事務官が出て来て,軍人の処遇に関する不平不満を表しています.それは,バラック生活の貧弱さから,虫の入った食べ物,司令官による病気の処置,若いキャデッツに対する肉体的な虐待と性的暴行,そして,不当な行為に誰も対抗できないことなどです.


軍人は,軍隊では,嫌と言う程「ポリティカル・コレクトネス,政治的に正しい言葉遣い」の課題の中にいて,変更したいと願っています.幹部と兵士の間には,根本的な隔絶があります.上官が自分達を,軍の事務官と言うより,政治家の様に指揮していると,誰が言いますか?


去年,数千の軍人が,「モラルの低さ」などの理由から軍隊を去りました.そして,これが続くと,残る兵士は居なくなります.少なくとも,私達はそれを知りません.英国の政界のエリート達は,彼らがとても期待している計画に着手しようとしています.新しい軍隊の設立です.EU軍に連結する軍隊です.とても便利です.特に,Brexit*1(ブレグジット)がこの細い線にぶら下がっています.


トミー・ロビンソン氏は,今月,米国の国会議員と会うことになっています.豪州の5つの主要都市も訪れます.私は,彼の訪問が,英国の素晴らしい人達と同様に,私達の国の軍人達にも変化をもたらすことを,切実に期待します.


元英国陸軍の軍人として,私は,私達の兵士は,今よりもっと良くされる価値があるのに,彼らの処遇に深く苦悩しています.私は,パワーが彼らの悪い方法を変え,或いは,彼らが計り知れない力,即ち,神様の審判の重さに向かうことを祈ります.


ルカ6:20には,「貧しき人々は幸いである.神の国はあなた方のものである.」


注 : イエス様は,富と力のある人々には,天国を約束されませんでした.



*1 : 英国のEU離脱解説 2015年欧州連合国民投票法の成立を受けて、イギリスの欧州連合離脱是非を問う国民投票が2016年6月23日に行われ、EU離脱への投票がEU残留への投票を上回る事


<鷹の目>
久し振りに,マリー・コー氏の投稿を目にしました.コー氏は,私達のよく知らない欧米の情勢と深層を詳しく報告してくれます.英国軍がこのような深刻な状況であることを知りませんでした.米国の多くの若者達が戦列から脱走し,色々な問題を起こし,社会復帰できなくなったようなことが,ベトナム戦争の頃も少しずつ伝えられてはいましたが,現代の英国軍には,もっと深刻な退役軍人のケアの問題があるようです.2017年の統計によると,英国軍人は15万人と言われています.数千人が離脱すると,増員が難しくなり,国防に大きく影響するでしょう.そして,軍隊は存亡の危機に至るとも考えられます.


英国も新しい,EU軍との共同防衛を模索しているようです.しかし,それでEUからの独立が維持できるのでしょうか.今後の大きな紛糾の火種ではないでしょうか.以前,スコットランド独立の動きもありましたが,ご存知のように国民投票で否決されました.その第一の理由が軍隊の独立と維持が難しいということでした.彼らは,賢明な判断をしました.


日本でも,自衛隊の定員が満たされていないと聞きました.国防や集団的自衛の意識は,平和が続くと薄れるものです.そして,今なお,個別的自衛権と集団的自衛権を区別するような考え方が横行していますが,これは日本だけの空想的な概念のようです.最近の国際情勢から見ても,侵略や戦争が勃発すると,一国だけで応戦できるようにはなっていません.UN軍や多国籍軍,同盟国軍によって対抗しています.集団的自衛権の行使は,むしろ普通の状態です.憲法9条の曲解と絡めて,日本の憲法学者らが世界に通じない概念を態々造語したようです.なお,個別的自衛権の行使は,スイスのような特殊な国にのみ当てはまるものです.


恒久的な願いは,世界中の国境を撤廃し,軍隊と軍備を解散することでしょうが,そこまで人倫道徳が高揚する前に,人類は滅亡するかも知れません.コー氏が最後に引用された,「心の貧しい人達」つまり,真の愛をもって,為に生きる人達によって,天国は創建されると思います.

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