サンクチュアリ週刊ニュース

主に,米国サンクチュアリ週刊ニュースの和訳です.

セックスと文化,J.D.アンウィン著,1934年


スティーブン・スティシー,2017.1.12,(2020.1.21添付)


1934年にJ.D.アンウィンが著したセックスと文化.文明の盛衰の核となる理由に関する研究.


私は,彼の著書の最終章から,容易にアクセスできるように,アンウィンの主な結論を総括しました.あなたは,ここをダウンロードすれば,著書の全部を読むことができます.https://archive,org/details/b20442580


ある文化が示す成長の為の前向きなエネルギーの量は,その文化が示す結婚前の禁欲と結婚後の貞節の強さに直接比例します.性的な機会の減少は,文化的な進展を産み,性的な機会の増加は,文化を衰退させます.結婚後の文化として,4つのタイプがあります.


修正された一夫一婦制と一夫多妻制(ここで,修正とは離婚を許容する意味).これらの何れかの伝統に適合した文化は,離婚を許容する事がマイナスの効果となって,全ての性的な規範が最終的に衰退しました.


絶対的に離婚しない一夫多妻の伝統に適合した文化は,保存されましたが,伝統を増やしませんでした.新しい考えに適合する事は難しいと考えています.それは,古い制度の内容を残しています.


絶対的に離婚しない伝統に適合した文化は,成長に伝達されるエネルギーを産み,その文化を拡大させます.最初の二三世代においては,そのエネルギーは,文化を他の土地に拡大する事に伝達されます.三世代以降は,科学や芸術において,新しい考えの急速な発展が常に示され始めます.ある発達した文明が生まれます.ギリシャ,ローマ,メソポタミア(シュメール),バビロン,ゲルマン,アングロサクソン,新教・英国など,全ての大文明は,何れも,正しく同一の基盤から発生しました.つまり,絶対的な一夫一婦制と結婚前の純潔への期待です.これらの全ての文化は,その後,性的な規範を緩和する過程に移り,最終的に崩壊しました.


人類史において,絶対的な一夫一婦制無くして,かなりの期間,大きなエネルギーを表わした社会の例はありません.さらに,全ての絶対的な一夫一婦制の社会は,自動的に大きなエネルギーを表わすに至りました.一つの文化には,異なる性的な規範を有する異種グループが有りえます.結局,一つの文化は,最も強いエネルギーを表わすグループに支配されます.つまり,性的な情熱に対する最大のコントロールを表わしたグループです.


新世代が,性的な機会を最小にした社会システムを相続しなければ,どんな社会も,生産的な社会的エネルギーを表すことは出来ません.


若い男女に結婚前の禁欲を薦める事が出来る社会こそが,神聖な文化でした(マニズム的な先祖が崇拝した文化,動物信仰や私達は自然の慈悲という文化に対抗して).もし,社会が,結婚前の性的な自由を許し,或いは,特異な又は,偶発的な自制のみを主張すれば,社会は自動的に,動物的,或いは,マニズム的になります.(注 : マニズムは,フェミニズムの男性型)


結婚前の性的な自由を許す文化は,結婚後の貞節の高いレベルを維持する事は,いつも不可能になっていました.


歴史を通して,絶対的な一夫一婦制の文化を創る過程は,その文化が成熟し,繁栄し,主要な文明となり,いつも,女性の権利(例えば,所有権,相続権など)の制服に依存していました.文化が成熟し,洗練され,培養されると,既婚女性の不利な状態の認識も,成熟しました.このことは,女性に更に多くの権利の要求を強いることになり,多くの権利は,離婚の要求となり,性的乱交のレベルを増大させて,これらの文化の最終的な破滅となりました.そして,しばしば,多くの凄まじい結果,特に男女と子供の数の伸長となりました.人類社会は,このパラドックスを克服できないようでした.私達は,男女が同等に尊敬される社会を創ることは出来ませんでした.同時に,結婚前の禁欲と結婚後の貞節が,社会の規範として期待される環境を創る事が出来ませんでした.この素晴らしいバランスを達成できる文化は,信じられないような社会的な力を解放し,その力は,男女,子供達に利益を齎し,未来に花開く文化となるでしょう.


他の出典 : 失われたセックスの研究,https://www.christianitytoday.com/ct/1994/december12/4te080.html


<鷹の目>
一夫一婦制の文化は,主にユダヤ・キリスト教から発祥しています.それ以外の世界の諸宗教は,一夫多妻制を容認してきたものが多いと思います.イスラム教は,実際に多妻としている人は多くはないと聞いていますが,今でも最多4人までの妻帯を認めています.寡婦や孤児に対する共同義務とか,売春,婚外交渉,浮気などを防止するために多妻制を認めていると主張している様ですが,何れも根拠が薄弱です.寡婦や孤児は,社会制度を充実させると共に,可能な人は再婚すれば済むことです.後者の性的社会問題は,人倫道徳を高揚するしかありません.多妻にしたとしてもこの問題が根本的に解決するとは考えられません.現に,アラブ諸国では,女性が強姦されても,その事実を証言する4人の男性が居なければ,告発も受理されないと聞きます.アボニムは,この問題に対して,多妻の中から一人を選んで,祝福を受けなさいと指導されました.これが,神様の御心だと思います.


創世記2章に記されているように,男女は夫婦となるために創造されました.この古の啓示を忠実に守ったのが,ユダヤであり,クリスチャンでした.しかし,ユダヤのソロモン王に限らず,富と力を得た者達は,多妻に陥りました.そして,異教の神々を信じ,偶像崇拝に陥りました.その結果,やがて,国は滅亡して行きました.理由は,様々でしょうが,今も神様の御心から離れた多妻に没頭している人達がいます.彼らと彼らの国に未来はあるのでしょうか.「天網恢恢疎にして漏らさず」何時か必ず,天の裁きが下るでしょう.


さて,本著は1934年に記されています.当時は,世界恐慌が拡大し,日米英は軍縮を進めました.そして,ファシズムが台頭し,
共産主義の萌芽が見られた時代でした.やがて,世界は,第二次世界大戦に突入して行きました.世界の諸国において,興亡が繰り返される状況は,当時も今も大差はありません.当時と比べて,現在は物質文明が発達したと思いますが,人心や倫理道徳においては,殆ど進歩がないように感じます.


著者が記すように,結婚前の禁欲と結婚後の貞節を尊び,守る環境は今はとても難しいと思われますが,私達は,まず,家庭内から,絶対・性の貴さを呼び掛けて,氏族へ,社会へ,国家へ,世界へとその範囲を拡大すべきです.絶対・性の貴さを知るためには,アボニムが最期に指示された原理本体論教育を実施すべきです.アボニムの指示事項を軽視してはいけません.私達は,原理本体論を埋没させてはいけません.本体論の中に,オモニムの立ち位置も明記されています.独生女の記述はありません.米国や韓国のサンクチュアリ教会では,原理本体論教育が進められています.日本のサンクチュアリにおいても,少しずつ継続しています.


絶対・性は,神様が定められた仕組みです.神様御自身が,アダムとエバの祝福・結婚の御理想を胸に抱いて,最も大切にされた内容です.私達はその事実を直視して,後代を指導し,社会を啓蒙して行きましょう.統一運動において,純潔キャンペーンを展開していたのは過去の事ですか.心霊がぼかされていませんか.純潔と貞節を軽視した結婚観が拡大されると,著者が言うように,その文化も国家も衰退することは,歴史が証しています.私達は,もう一度,原点に戻って,純潔・貞節を尊び守るキャンペーンを拡充して行きましょう.そのキャンペーンの先頭に立っておられるのが,正しく,二代王様・王妃様です.

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